- 2013-11-28 (木)
- ブラジル情報
リオからバスに揺られること6時間、9年ぶりにやってまいりました、ミナス・ジェライス州の州都ベロ・オリゾンチ。
ミナスといえば、ミルトン・ナシメントやトニーニョ・オルタ、ロー・ボルジス、フラヴィオ・ヴェントゥリーニetc...「街角クラブ」のミュージシャンたちを輩出していることで日本の熱心な音楽ファンにはお馴染みの地であります。
また昨今、新世代系ミナス音楽の素晴らしい音源を紹介し続けているNRTレーベルからの諸作品で知った方もいるのではないでしょうか。
そんなミナス・ジェライスはその内省的な音楽のイメージ通り、四方を山に囲まれた自然豊かな内陸の農業州。
日本で例えるなら長野県?山梨県?
ゆえにミナスは食べ物が美味しいということ、そしてカシャーサの名産地ということで大変有名なのです。
ということで早朝のバス・ターミナル(ホドビアーリア)を抜け出し、まずは美味い朝飯を求めて彷徨います。
目指すはパステル(ブラジル風揚げパイ)!
朝から揚げ物かい!と突っ込みが入りそうですが、ベロの街にはあちこちにパステル屋があり、みんな朝から揚げたてを何個も頬張っています。
恐るべし、ミネイロ。
パイ生地はザクっと厚みがあって、うーーん、美味いね!
ミナスのパステルは割と小ぶりだから、複数個買っていろいろな種類の味を楽しめます。
さて、満腹になったところでいつもどおり街をふらつきホテルを物色、適度に綺麗そうな安宿にチェックイン。
今回の旅の最大のミッションに向け、シャワーを浴び、身を引き締めます。
そろそろ彼が迎えに来る時間だ。
遅れること数十分、やってきました、ムイント・プラゼー!
現れたその人の名はエドゥアルド・マイア。
ブラジルのトップ・シェフの1人です。
エドゥアルドは生まれも育ちもリオという生粋のカリオカだったが、ミナスの気候・風土と食文化に惚れ込みベロ・オリゾンチへ移住。
以来ブラジル、そしてミナス料理の研究と発展に尽力されている素晴らしい料理人です。
そしてなんと彼は、先の旅行報告でも度々出てきたブラジルのブチキン(居酒屋)/バール料理のコンペティション「コミーダ・ヂ・ブテコ」の創設者なのです!
ひょんなきっかけでエドゥアルドとメールをやりとりすることになり(大洋レコード伊藤さんに感謝!)、ベロまで来たらミナス・ブラジル料理のレクチャーをしてもらえるということになったとのでここまで来たというワケです。
「さあゴウ、今日はミナスの全てをみせてやるぞ、長丁場になるからね!」とまくしたてられ、ミナス食文化のレッスン、スタート!
まずは彼の車でベロの中心地にあるMercado central(ミナス中央市場)へ向かいます。
「ここはミナス料理の言わば心臓部だ。優れた食材が全てここに集まり、街の飲食店はみんなここで仕入れるんだよ。」
「州都がかつてのオーロ・プレットから、ここベロ・オリゾンチへ移されたのが1896年。そしてその僅か十数年後の1924年にこのメルカド・セントラルは設立される。つまりベロと市場の歴史はほぼ一緒なんだ。」
駐車場がある2階に滑り込む。
「まずは私の料理学校を見せてあげるよ。」
竹でつくられたトンネルがなんともオシャレなエドゥアルドの料理学校が市場の2Fにあるのです。
「ここで私は若い世代にミナスの料理を無料でレクチャーしている。後世に文化と歴史を伝えていくことが重要だと考えているんだ。」
流石です。いや~内装もお洒落ですね。。。
「この竹はホントに上質なものだよ、大変だったんだ。ビックリするくらいのお金がかかってるよ(笑)」
すげーな。。。
さあ、いざ1Fの市場へゴー!
「まずはポン・ヂ・ケイジョとコーヒーで始めよう。」
市場内のとあるコーヒー・スタンド前で立ち止まる。
「ゴウ、ポン・ヂ・ケイジョ食べたことあるだろ?」
勿論ですとも、店でも出してますよ~。
「でも今まで食べたポン・ヂ・ケイジョのことは全て忘れてくれ。これから食べるのが本当のポン・ヂ・ケイジョなんだ。」
確かに見た目からしてサンパウロや日本のショップで売ってるヤツとは全然違うな。
綺麗なまんまるでツルリとしています。
どれどれ、いっただっきまーす、パク!
うーーん、美味い!味が濃厚ー!
「ミナスは自然の宝庫なんだ。豊かな牧草を食べて育った牛の美味しいミルクからつくられた美味しいチーズを惜しげもなく使っているんだよ。これがポン・ヂ・ケイジョさ。」
コーヒーにもベストマッチ!こんな朝食はサイコーだな(つーかさっき揚げ物しこたま食ったけどな)。
「ゴウもカフェジーニョに砂糖を入れないのかい?私と一緒だね。私はカフェジーニョを1日10杯は飲むよ。」
ブラジル人でも砂糖入れない人やっぱりいるんだよな。
シャイなポン・ヂ・ケイ女たちも可愛らしいです。
次回、市場探検から怒涛の飲み歩き編へと続きます!